スーパーやコンビニでよく見かける「ラクトアイス」。
何気なく食べているけれど、「ラクトアイスって体に悪いって聞いたことがある…」と気になったことはありませんか?
この記事では、ラクトアイスとアイスクリームの違いから、体への影響、そして安心して選ぶためのポイントまでをわかりやすく解説します。
健康を気にしつつ、冷たいアイスを楽しみたい方は必見です。
ラクトアイスとアイスクリームの違いは?成分を見れば理由がわかる
まず、「ラクトアイス」と「アイスクリーム」は名前こそ似ていますが、中身はまったく別物です。
日本の食品表示では、使われている乳成分の量によって分類されています。
以下の表をご覧ください。
分類 | 乳固形分 | 乳脂肪分 | 主な原料 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
アイスクリーム | 15%以上 | 8%以上 | 生乳・クリームなど | 濃厚でミルクのコクが強い |
アイスミルク | 10%以上 | 3%以上 | 牛乳・植物油脂 | ほどよいミルク感 |
ラクトアイス | 3%以上 | 規定なし | 植物油脂中心 | あっさり、コスト重視 |
ラクトアイスは、乳脂肪ではなく植物性油脂(パーム油やコーン油など)が中心になっています。
この油脂が、「体に悪い」と言われる理由の一つです。
植物油脂自体は決して悪いものではありませんが、製造過程で高温処理されたり、酸化しやすい性質があるため、過剰に摂ることで健康への影響が懸念される場合があります。
その一方で、コストが抑えられ、大容量で手頃な価格のラクトアイスは家計にもやさしく、多くの人に親しまれている存在でもあります。
ラクトアイスが体に悪いと言われる理由は?成分や健康への影響を解説
ラクトアイスが「体に悪い」と言われる背景には、主に使われている原材料や製造方法が関係しています。とくに注目すべきは「植物性油脂」や「食品添加物」の存在です。
植物性油脂が中心という特徴
ラクトアイスは乳成分が少なく、代わりに植物油脂を多く使用しています。これは、コストを抑えて大量生産するための工夫でもあります。
ただし、使用される油脂の多くは高温で加工されており、酸化しやすいという特徴があります。
酸化した油は体内で「悪玉コレステロール(LDL)」を増やし、動脈硬化や心臓病のリスクを高める可能性があると指摘されています。
また、植物油脂の加工過程で「トランス脂肪酸」が発生する場合もあり、これもまた健康リスクのひとつです。
WHOではこのトランス脂肪酸の摂取を極力減らすようにと注意喚起しています。
添加物や甘味料もチェックポイント
ラクトアイスには、滑らかな食感を出したり、保存性を高めたりするために、以下のような添加物が使われていることがあります。
- 乳化剤
- 安定剤(増粘多糖類)
- 人工甘味料(スクラロースなど)
- 香料・着色料
これらの成分は食品衛生法に基づいて使用されていますが、毎日のように摂取することが習慣化すると、体への負担になる可能性があります。
たとえば、腸内環境を乱す影響や、アレルギー反応、血糖値の急激な上昇(血糖値スパイク)を引き起こすことがあるとされており、とくに小さなお子さんや健康意識の高い方は注意しておきたいポイントです。
実際に食べるならどれが安心?人気ラクトアイス商品の成分を比較
では、実際に私たちがよく食べているラクトアイスの中で、成分やカロリーの面から見て安心して食べられるものはどれなのでしょうか。
ここでは代表的な3商品を取り上げて比較してみました。
商品名 | カロリー(1個) | 植物油脂の量 | 添加物の種類 | 健康への配慮 |
---|---|---|---|---|
スーパーカップ(明治) | 約380kcal | 多い | 多い(10種類以上) | 食べすぎ注意 |
パピコ(グリコ・チョコ) | 約190kcal | 中程度 | 中程度 | 適度に楽しめる |
チョコバッキー(シャトレーゼ) | 約120kcal | 少なめ | 少なめ(5種以下) | 比較的安心 |
とくに注目したいのが、シャトレーゼの「チョコバッキー」。
この商品はラクトアイスでありながら、シンプルな成分構成と控えめなカロリーで、健康を気にする方にも人気があります。
大きさもちょうどよく、食べすぎになりにくいのもポイントです。
もちろん、「これだけ食べればOK!」ということではありませんが、同じラクトアイスの中でも選び方次第で、健康リスクを減らすことは十分に可能です。
「ラクトアイスはプラスチック」説って本当?ネットの噂を検証
SNSやネット掲示板を見ていると、「ラクトアイスはプラスチックのような油を使っている」という、ちょっと驚くような話を目にすることがあります。
これは一部の情報が誤って広まったもので、事実とは異なります。
たしかに、植物性油脂は化学的に加工されることで安定性が増し、その構造がプラスチックに近い性質を持つことがあります。
しかし、それがそのまま「プラスチックを食べている」わけではありません。
また、こうした情報は、過激な表現の動画や記事によって拡散されやすく、「怖いからやめよう」と感じる人が増えているのも事実です。
とはいえ、大切なのは正しい知識を持つこと。必要以上に不安になるのではなく、「どのくらいの頻度で、どんな商品を選ぶか」が健康を考えるうえでとても重要です。
健康を守るためのラクトアイスとの付き合い方
ラクトアイスは、成分によっては体に負担をかける可能性もありますが、「絶対に食べてはいけない」というものではありません。
大切なのは、上手に選んで、食べ方に気をつけることです。
ここでは、健康的にラクトアイスを楽しむためのポイントをご紹介します。
1. 食べる頻度と量を意識する
毎日のようにラクトアイスを食べるのは、カロリーや脂質、添加物の摂りすぎにつながります。
1週間に1〜2回、1回に1個までといったように、「量と頻度をコントロールする」ことが健康への第一歩です。
とくに夕食後の遅い時間や、空腹時のラクトアイスは血糖値の急上昇を招きやすいため、できれば日中のおやつタイムに楽しむのがおすすめです。
2. 成分表示を確認して選ぶ
ラクトアイスの中でも、成分がシンプルな商品や、油脂や添加物が少ないものを選ぶと、体への負担を抑えることができます。
以下のポイントをチェックしてみてください。
- 植物油脂が原材料の最初に来ていないか
- 乳化剤・香料・着色料などの添加物が少ないか
- カロリーが150kcal以下か
- 糖質が15g以下か
この基準を参考にすると、たとえばチョコバッキーのような商品は、比較的安心して選べるラクトアイスと言えるでしょう。
3. アイスクリームやアイスミルクとの使い分け
乳成分がしっかり入った「アイスクリーム」や「アイスミルク」は、ラクトアイスに比べて添加物や油脂の使用が少ない傾向にあります。ただし、その分カロリーは高め。
「今日は特別な日だからちょっとリッチに」
「普段は控えめでヘルシーに」
そんなふうに、目的や気分に合わせて上手に使い分けるのもおすすめです。
4. 手作りアイスやオーガニック商品も選択肢に
最近では、家で簡単に作れる「手作りアイス」や、無添加・オーガニックにこだわった商品も増えてきました。
たとえば、フルーツとヨーグルトだけで作るシャーベットなどは、自然な甘さで体にも優しいおやつになります。
「安心して食べたい」「子どもにも食べさせたい」という方には、こうした選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。
5. 子どもや高齢者にはより慎重に
子どもや高齢者は、体の代謝や消化機能が大人と違うため、添加物や脂質に対する感受性が高いとされています。
特に甘さが強いラクトアイスを頻繁に与えると、食欲や栄養バランスにも影響が出ることがあります。
なるべく小さなサイズを選び、食べる頻度を調整するようにしましょう。
チョコバッキーのようにサイズが適度で味もやさしい商品は、その点でもおすすめです。
まとめ|ラクトアイスは「選び方と食べ方」で健康的に楽しめる
ラクトアイスは、植物性油脂や添加物が多いことから「体に悪い」と言われることがありますが、すべてが悪いわけではありません。
ラクトアイスと上手につき合うには、
- 原材料や成分をよく確認して選ぶこと
- 食べる頻度やタイミングを調整すること
- 自分や家族の体調に合わせて食べ方を工夫すること
がとても大切です。
「安くて美味しい」だけで選ぶのではなく、「安心して美味しく食べる」ための知識を持つことが、これからのアイス選びには欠かせません。
何気なく手に取っていたアイスにも、ちょっとした工夫や選び方次第で、ぐっと健康的に楽しめるヒントがあるんですね。
コメント